シニアビジネスに取り組む企業様に向けて、シニアマーケットに関する有用なアンケートや調査データをまとめました。前編と後編に分けてご紹介しますので、シニアマーケティングのヒントとしてご活用下さい。
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1.シニアのインターネット利用動向
シニアのインターネット利用率は90%以上
高齢者のインターネット利用者は年々増え続け、2021年5月時点では90%以上がインターネットを利用している。
画像引用元:総務省「令和元年 通信利用動向調査」
2.シニアのネットショッピング利用動向
緊急事態宣言下で、高齢者層のネットショッピング利用率が3割を突破
ネットショッピング利用世帯の割合は、2019年9月以降横ばいだったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出された2020年4月以降再び上昇し、5月には50.5%と5割を超え、宣言解除後も高水準を維持している。
さらに65歳以上の世帯においては、27.1%(4月)、30.3%(5月)と著しく伸び、6月に入っても31.2%と上昇を続けている。
今や高齢世帯主世帯でも3割の世帯がネットショッピングを利用するようになり、ネットショッピングが当たり前の時代になりつつある。また、緊急事態宣言に伴い今後ますますECシフトが進むと考えられる。
ネットショッピングの支出額が増加、家電・衣類・健康食品など用途の幅も広がる
ネットショッピングの支出額(1世帯当たり1か月間のネットショッピングの支出総額)の推移をみると、ほぼ毎年増加を続け、2017年1月の10,534円から2020年1月は14,336円となり、36.1%増となっている。緊急事態宣言が発出された4月以降は、更に増加を続けており、14,622円(4月)、15,873円(5月)、17,252円(6月)となっている。
これまでは旅行関係費とチケットの支出が多く、支出額の3割弱を占めていたが、感染症を機に、家電、婦人用衣類、健康食品、化粧品など幅広い品目で支出が伸びている。
画像引用元:統計局ホームページ
新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング
3.シニアのLINE利用動向
60代では7割以上、70代では5割程度がLINEを利用している
60代のLINE利用者は7割を超え、70代では5割程度となった。
また、女性の方が利用する割合が高く、広告等への活用には女性をターゲットにすると効果的。
シニアが利用するLINEのサービスはトークがメイン。LINEトークはシニア向けの広告宣伝媒体として魅力があり、今後の利用者の増加予測から、付加価値はさらに上がっていく可能性が高い。
LINEトークの相手は「子ども」との利用が多く、シニアが子どもの支援でLINEを使いはじめたことの裏付けともなっている。したがって、利用に慣れてくれば徐々にその利用用途が広がっていくことが予想される。
企業公式アカウントの登録数は、2社〜5社の回答が最も多いが、11社以上の方も多く分散しており、1社以上登録している方は約8割。これまでのシニア対象の調査からみて多い数値であり、LINEの活用が拡大していることの裏付けともいえる。
企業公式アカウントの登録理由は、無料スタンプとセール最新情報収集が約7割を占める。無料スタンプは普段利用しているトークのオプションとして、シニアでも利用が拡大しつつあると思われる。
画像引用元:株式会社ペンシル
シニアはどうLINEを利用しているのか?
5.シニアの介護実態
65際以上で介護認定(要支援を含む)を受けている人は15%
65歳以上に質問【介護保険制度の要介護認定(要支援認定を含む)を受けているか】
「認定を申請していない」人の割合が 73.5%、「認定を受けている」人が 15.0%となっている。
引用元:東京都福祉保健局調査
『高齢者の生活実態』の結果(速報)
「フレイル」という言葉を知っている人は、3割しかいない
「フレイル」とは、年齢とともに筋力や認知機能などが低下して、要介護状態となるリスクが高い状態で「健康」と「要介護」の中間を言います。
下記の図でいうと、「ギャップ・シニア」と呼ばれる介護予備軍にあたり、多くの高齢者がフレイルの段階を経て徐々に要介護状態に至るとされています。
多くの高齢者がすでにフレイル状態にあったり、数年後にフレイルになるリスクを抱えているにも関わらず、下記の調査でもわかるように「フレイル」という言葉はあまり認知されていないようです。
65歳以上に質問【フレイルという言葉を知っているか】
「知っている」「中身は知らないが、言葉は聞いたことがある」を合わせた割合が29.9%となっており、65歳以上の3割しか「フレイル」を認識していなかった。
また、「栄養をとる」、「運動する」及び「社会参加する」ことがフレイルの予防方法であることを知っているか聞いたところ、「知っている」人の割合は、「栄養をとる」が68.6%、「運動する」が69.2%、「社会参加する」が57.9%となっている。
引用元:東京都福祉保健局調査
『高齢者の生活実態』の結果(速報)
6.シニアの家計・就労
60歳代前半は「就労収入」が 7 割、75 歳以上は「公的年金収入」が8割超
高齢者の自分自身と配偶者(配偶者がいない場合は自分自身のみ)の昨年 1 年間の収入は、平均 421.3 万円、公的年金収入は平均 202.7万円、就労収入は 216.7 万円となっている。
年齢別にみると、60~64 歳では公的年金収入 23.6%・就労収入 71.2%で、就労収入が大半を占めているが、75 歳以上では公的年金収入が 8 割を超えている。
高齢者の就労割合は 3 割強、退職・引退予定年齢は現在年齢の約 5 年後まで
高齢者の現在の就労形態は、「無職」が 63.1%と最も多くを占めている。
一方の就業者は、「常雇被用者」13.5%、「自営者」11.0%、「非正規社員」10.8%となっており、3 割強が就業している。
また、現在就労している者の退職・引退予定年齢は、実年齢より数年~5 年先としている傾向がみられる。
画像引用元:生命保険文化センター
ライフマネジメントに関する高齢者の意識調査
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7.まとめ
シニアマーケティングに有効なアンケートや調査データをご紹介しました。
後編では、シニアの趣味・嗜好・ライフスタイルの変化についての調査データをご紹介していますので、合わせてご覧ください。
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