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更新日2021.08.26

「多様な」シニアにアプローチできる雑誌と、雑誌と相性の良い広告商材を検証!

消費に積極的なシニアとは

「シニア」とは一般的に60歳以上のこと全般を指します。「シニア」にまとめられがちな高齢者層ですが、日本の平均寿命は男女ともに80歳を超えており、「シニア」と一括にしても20年以上の開きがあります(参考:簡易生命表)。また日本の総人口の25%以上、3000万人以上が65歳です(参考:高齢者白書)。このように日本では、「シニア」と言ってもその市場はとても大きく、一括にすることはできません

「アクティブシニア」と呼ばれる健康志向で消費にも積極的なシニアに最近注目が集まっています。また、「人生100年時代」とも呼ばれる昨今では、60歳以上の「シニア」がさらに拡大していきます。

シニアは人口増加と合わせて多様性も増している
シニアは人口増加と合わせて多様性も増している



今回は、この「アクティブシニア」の消費行動の1つの情報源となる「雑誌」について深く掘り下げていきます。
アクティブシニアに多く読まれている雑誌を分析することで、シニアの消費嗜好が見えてきます。

シニア世代向け雑誌のジャンルと特徴

シニア世代向けの雑誌のジャンル

シニア世代向けの雑誌のジャンル1

上記の図は、シニア向け雑誌の人気上位誌のジャンルをまとめ、そのジャンルの出現回数を文字の大きさで表現したものです。
シニア雑誌の傾向を視覚的に表しています。

Point!

シニア向けの雑誌には以下の特徴が挙げられます。

  • 趣味に関するものが圧倒的に多い
  • 大きな消費を伴う趣味のものも多い
  • グルメは全世代向けの雑誌も読まれている
  • インドア系趣味は男性にも読まれている
  • 健康維持への関心が高い

シニア雑誌には「モノ消費」より「コト消費」を発信したものが多いと言えます。

シニア世代向け雑誌の特徴

1 趣味の雑誌

 若年世代がファッション関連雑誌が多いのに比べて、趣味に関係する雑誌が圧倒的に多いことがわかります。
アクティブシニアは、仕事から開放され、子育てを終えて圧倒的に時間的な余裕があること、ファッションについてはトレンドに左右されない自分らしさを確立していることが理由と考えられます。

2 金銭的余裕を背景にした、大きな消費を伴う趣味の啓蒙雑誌

アクティブシニアは金銭的に恵まれた状況におかれている方も多くいます。

【大きな消費を伴う趣味の例として以下が挙げられます。】

  • 旅行関連
    金銭的余裕、そして時間的余裕のあるシニアに最も好まれる趣味です。
    それまで忙しい生活で特定の趣味やライフワークが持てなかった人でも十分に楽しめる旅行は、多くのアクティブシニアの大きな興味関心事と言えます。
    また、一昔前のシニアに人気だった団体旅行は現在は選択肢の1つとなり、旅のテーマも自分で情報収集し交通手段もドライブや船、電車など、バリエーションに富んでいます。
  • 芸術鑑賞・歴史探訪
    歌舞伎や宝塚といったチケットが高額でかつ長時間の芸術鑑賞も人気です。
    歴史探訪は、歴史や美術をテーマにして日本の様々な場所を訪れるなどの知的好奇心を満たす趣味です。
    保有資産が潤沢な層は知識層も多いということの表れでもあると言えます。

3 グルメ関連は全世代向けの雑誌を愛読

グルメ関連の雑誌は、特段シニアをターゲットにしたものではありませんが、シニア世代にはとても好まれて読まれています。
アクティブシニアは健康そのもので食事にそれほど制限もないので、十分にグルメを楽しめますし、美味しいお店への開拓意欲も高いと考えられます。

4 インドア派の趣味も充実したものに

外出するばかりがアクティブシニアではありません。洋裁、園芸などのインドア系の趣味も人気です。園芸は男性にも人気があります。

5 趣味以外では健康をテーマにしたものが人気

アクティブシニアは健康な体があってこそ人生が楽しめるので、健康維持への意欲も大きいと言えます。
無理なく健康維持ができる運動法や食事法などのHowTo雑誌が人気です。
美容に関する内容も多く、健康的な若さを保つテーマが取り上げられています。

シニア向け人気雑誌ピックアップ

旅行・アウトドア系

雑誌名 主なテーマ 公式サイト
旅行読売 旅行、趣味 こちら
サライ 男性、旅行、趣味 こちら
山の本 登山、趣味 こちら
ノジュール 旅行、趣味 こちら
演劇界 歌舞伎、趣味 こちら
日本カメラ カメラ、お出かけ、趣味 こちら
田舎暮らしの本 移住、アウトドア、田舎、地方 こちら
おとなの週末 グルメ、お出かけ こちら
散歩の達人 お出かけ、街、地元、グルメ こちら
歴史人 男性、歴史、文化、芸術、史跡めぐり こちら
和樂 美術、美術館めぐり、文化、芸術、歴史 こちら
男の隠れ家 男性、旅行、グルメ、ファッション こちら
家庭画報 旅行、グルメ、ファッション こちら

ファッション系

雑誌名 主なテーマ 公式サイト
美しいキモノ 女性、着物、趣味 こちら
素敵なあの人 女性、ファッション こちら
男の隠れ家 男性、旅行、グルメ、ファッション こちら
家庭画報 旅行、グルメ、ファッション こちら
ku:nel 女性、ファッション、おしゃれ こちら
婦人画報 女性、お取り寄せ、ファッション、美容 こちら
婦人公論 女性、ニュース、健康、美容 こちら

インドア系

雑誌名 主なテーマ 公式サイト
歴史人 男性、歴史、文化、芸術、史跡めぐり こちら
和樂 美術、美術館めぐり、文化、芸術、歴史 こちら
Garden&Garden 園芸、季節 こちら
ハルメク 女性、暮らし、家事、料理 こちら
60代からのソーイング 女性、ソーイング、趣味 こちら
明日の友 女性、家計、暮らし、住まい こちら
オレンジページ 料理、家事、暮らし こちら

健康系

雑誌名 主なテーマ 公式サイト
婦人公論 女性、ニュース、健康、美容 こちら
終活読本 ソナエ 終活、お墓 こちら
安心 100歳、健康、運動 こちら
壮快 健康、食事 こちら
エール 100歳、健康 こちら

雑誌のジャンル別に考えるアクティブシニアへの訴求商材

このように現代のシニア層をターゲットにした雑誌を挙げましたが、今度は雑誌のジャンルを一つのターゲットに見立て、そのジャンルに対して広告の相性が良いと思われる商材をまとめました。

Point!

シニア向け雑誌広告の効果が期待できるシニア向けの商品やサービス例

  • 観光情報
  • スポーツ
  • 移住促進
  • 不動産、住宅関連、リフォーム
  • 投資信託、株式投資
  • 金融商品
  • 生涯教育
  • 健康関連

旅行・お出かけ

観光情報

シニアの消費志向は「モノ」より「コト」と言われていますが、その代表格なのが旅行です。
夫婦でゆったり旅行、女性同士若しくは男性同士の同窓会代わりの旅行、新たなコミュニティを創出するお1人様でも行ける旅行など、様々なテーマの旅行が人気です。

参考サイト:シルバーラボ シニア✖国内旅行

因みに、シニア旅行の目的の一位は「温泉やお風呂」です。
次に「名所、街並みの観光」、3位は「旬や地元の美味しいものを食べる」と続きます。

参考サイト:シニアの旅行は「温泉」「自家用車」「リゾートホテル」がキーワード

「ソーシャルサービスの自主調査報告書(2015年)」


アクティブシニア・温泉・入浴施設に関する調査ダウンロードはこちらから

車への嗜好がシニアになると変わってくると共に運転技術の不安も徐々に感じるようになります。
一方で、バブル期を思い切り満喫した世代でもあるため、人生を楽しめる思い切ったデザインや個性的な車への興味が湧いてくる人もいます。
運転しやすい車は勿論ですが、クーペ、オープンカーなどの個性派な車の提案もシニアには響くと思われます。

参考サイト:いつまでもクルマとともに! シニア世代のクルマ選びのポイントは?

スポーツ用品

健康増進、脳への良い刺激、認知症予防などの観点で、シニアにとって適度なスポーツは多くのメリットがあります。
また、スポーツをしているシニアほど自分の今の生活に満足しているというデータもあるようです。

【引用】”スポーツ実施状況に満足しているシニアの生活満足度が88.8%と高いのに対し、スポーツ実施状況に不満のあるシニアの生活満足度は59.9%に留まるという結果が出たのです。両者の間で、28.9ポイントも差が見られたことになります。”

引用元:シニアに人気のスポーツTOP3 高齢者が運動を始めるメリットと注意点は?

運動のジャンルについては、ウォーキング、ゴルフ、ゲートボール、卓球、水泳、フィットネス等の、激しすぎない手軽に始められるスポーツはシニアに提案、啓蒙していきたいものです。

参考サイト:シニアにおすすめのスポーツ!体を動かすメリットと続けるためにできること

移住促進

前期高齢者世代は、かつて現役引退後実家や農地の管理などのために地方にUターンする移住型が従来多いと言われていました。
現在は新しいライフスタイルを求めて若者の地方移住が増えていますが、これがシニアにも良い刺激を与えています。思い切って好きなところに住み新たな人生を作る。これもシニアの人生設計の醍醐味ともいえます。住む場所や住み方によっては生活コストが下がり、より豊かな暮らしが実現します。
地方自治体などによる移住の誘致活動の情報を求めているシニアが多数いると期待できます。

参考サイト:老後移住で人気の国内外エリア6選と移住先選びの5つのポイント

不動産、住宅関連、リフォーム

シニア向けの不動産・住宅は、ニーズ別に2つのセグメントがあります。

今を楽しむために

  • 第二の人生を楽しむための新たな住宅購入
  • 子育て終了による間取り変更


近い将来の備え

  • 住まいの介護仕様へのリフォーム
  • シニア向け分譲マンション

いずれもじっくり検討する必要がある高額商材なので、広告を出す側も多くの情報を長期にわたって提供し続けることで顧客が高い関心を持つと思われます。

住まいに関する調査
「ソーシャルサービスの自主調査報告書(2015年)」


住まいに関する調査ダウンロードはこちらから

歴史・美術探訪、などの知的趣味

投資信託、株式投資

退職金や保険の還付金などで手に入れた多額のお金を運用に回すニーズも増えています。
時間があるので株式をじっくり研究する方も。
なんと60代男女の57%が500万以上の投資を行っているというデータもあります。

参考サイト:60代で、投資がプラスになっている人は「6割強」

金融商品

元気なシニアも近い将来に超高齢化による金銭的な判断の低下、子供たちへの相続という問題にも直面します。

  • 年金の受け取りを安全・確実にする年金受取口座
  • 健康にすごすのための病気・ケガに備える保険
  • 相続の不安を解消する相続・信託サービス

などに関心が高いと言えます。

じっくり勉強することで老後資金を貯めるための投資や、備えの金融関連の広告は知的趣味のあるシニアにはマッチすると考えられます。

参考サイト:高齢社会における金融とその対応

生涯教育

シニア世代もまだまだ学びを求めています。実際に、60歳以上のシニアの4割が趣味や健康・スポーツに関連した何かしらの生涯学習をしているというデータもあります。
また、ボランティア活動やNPO法人などで培った自分の知識や経験を新たな領域に活かすことが、シニア世代の新しい生きがいになります。

参考サイト:【シニアの概況】高齢者の生涯学習

美容・健康

健康関連

人生を楽しむのに積極的なシニアも、最大の関心事はやはり「健康」。
シニアの健康への取り組みとして「健康的な食事を摂る」が全体の62%を占めています。
健康増進に貢献する食品には非常に関心が高いのです。

参考サイト:シニア世代の加齢と健康に関する意識調査結果

その他、ジャンルに関係なくシニア全般が関心が高いと思われる商材

  • 介護・医療関連
  • 相続関連
  • 終活関連

などがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
アクティブシニアにアプローチしている雑誌の紹介と、シニアマーケティングの1つのセグメントの考え方である雑誌の分析についてご紹介いたしました。
ぜひ広告販促活動の参考にしていただければ幸いです。