【業界別】メルマガの平均開封率。効果測定の方法や効果的なPDCAの回し方を理解して開封率を向上!メルマガ以外のリードマーケティングもご紹介!
Point!
- 開封率=開封されたメール÷配信されたメール
- 平均開封率は業界によって差が大きく、13%〜30%ほど
- 開封率向上には件名の工夫や配信する時間帯などの配信テクニックが必要
- メルマガを配信することは目的ではなく手段であることを忘れずに。
メルマガで売上をあげるための施策が重要 - メルマガだけじゃない!リード顧客とのコミュニケーションツールを紹介
開封率とは
メルマガをすでに実施している方にとっても、これから実施される方にとっても重要なのが「PDCA」を回すということです。
メルマガにおける「C(check)」を行うための指標の一つが開封率です。
開封率とは配信されたメールのうち開かれたものの割合のことです。
開封率が高ければ高いほど、メルマガの文面が読まれていることを意味し、そのメルマガへの読者の興味の度合いが高いことを表します。
逆に開封率が低ければ低いほど、タイトルがユーザーの興味にマッチしておらず迷惑メールに設定されたり、ゴミ箱に捨てられてしまう、メルマガを送信するタイミングが悪いなどを 表しています。
【参考】メルマガとSNS広告や紙のDMの開封率を比較
同条件での開封率測定結果ではありませんが、凡その傾向は掴むことができます。
雑誌名 | 開封率 |
---|---|
メルマガ | 約13〜30% 業界によって開封率が異なる |
LINE広告 | 約60% | Facebookメッセンジャー広告 | 約72% |
Twitter広告 | 約1.51% |
紙のDM | 約57.7% |
参考サイト:
LINE広告の開封率について
Facebook広告の開封率について
Twitter広告の開封率について
紙のDMの開封率について
開封率の測定方法
開封率を知るには前提として「HTMLメール」で配信する必要がありますが、豊富に存在しているメルマガ配信ツールを利用すれば、簡単にその形で配信できるのでご安心ください。
開封率を知る方法は主に2つあります。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスにパラメータをメルマガ内の画像やURLに埋め込むことで測定できます。GoogleアナリティクスやHtmlの基礎知識がないと少々難しく感じるかもしれません。
メルマガ配信ツールの機能
メルマガの配信ツールに開封率分析機能があれば、メルマガやHTMLに対する知識がない初心者の方でも、簡単に各種数値を知ることができます。
効果測定の為の他の指標
メルマガを配信している企業には開封率は重要な指標の一つです。しかし、メルマガの目的によっては他にも気にするべき指標がいくつかあります。
エラー率
エラー率は配信したメールのうち何らかの理由によって届かなかった割合のことです。
理由は、通信業者によって迷惑メールと判定されることで受信がブロックされてしまうからです。
迷惑メール判定される原因には、
- 送信先のメールアドレスが存在しないものが多い
- 受信者からの迷惑メール報告が多い
が挙げられます。
これらを引き起こさないためにも、
- 配信頻度と内容をユーザーにあった形にする
- 配信先のリストを常に最新の状態に保っておく
といった対策が必要です。
オプトアウト率
オプトアウト率はメールが配信された後にメルマガの購読が解除されてしまった割合です。
こちらも配信頻度やメルマガの内容がユーザーに合っていないことによってユーザーの不満がたまった結果という理由が最も考えられるので、見直す必要があります。
クリック率
クリック率は配信したメールのうちメルマガに記載されているURLがクリックされた割合です。
開封率は良いのにクリック率が悪い原因として考えられるのは、
- 提供する情報がユーザーの求めていたものと違った
- URLを押させる工夫がされていない
などがあります。
解決策としては
- 配信先をセグメンテーションしてユーザーに合った情報を届ける
- メルマガの内容を見直す
- URLが目立つように配置する
- URLをクリックする動機づけをする(希少性や限定性を持たせる)
などがあります。
【業界別】メルマガ平均開封率
自身の会社で実施しているメルマガの開封率が低いのではないかと感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、一口に平均開封率と言ってもそれは業界ごとに異なります。
実際の値を確認してみましょう。
業界別メルマガ開封率
業界 | 平均開封率 |
---|---|
広告 | 19.30% |
農業、漁業、林業 | 20.50% |
自動車、航空産業 | 12.60% |
建設 | 22.40% |
消費財 | 14.50% |
教育 | 23.40% |
デザイン、建築 | 20.40% |
金融 | 20.20% |
飲食 | 13.00% |
政府機関 | 30.50% |
福祉サービス | 19.70% |
IT・ソフトウエアサービス | 17.60% |
物流、卸売 | 18.90% |
メディア | 18.10% |
非営利組織 | 25.20% |
専門サービス | 18.00% |
不動産 | 19.90% |
小売 | 13.90% |
観光、旅行 | 15.70% |
その他 | 19.10% |
全業種平均 | 17.80% |
出典:Ultimate Email Marketing Benchmarks for 2020: By Industry and Day
開封率が高い業種としては「政府機関」、「非営利組織」、「教育」、「建設」などです。
開封率が低い業種としては「自動車、航空産業」、「飲食」、「小売」、「消費財」などです。
メールでプロモーションするメルマガですが、一方で顧客宛に郵送される紙DMの業界別開封率は以下の通りです。
業界別紙DM開封率
業界 | 平均開封率 |
---|---|
食料品メーカー・食料品店関係 | 30.5% |
クレジットカード関連 | 30.5% |
通信販売メーカー | 28.5% |
衣料品・アクセサリー・時計関係 | 28.5% |
家電量販店 | 28.5% |
郵便局・銀行関連 | 27.5% |
デパート・スーパーなど流通関係 | 27.5% |
保険関連 | 25.5% |
携帯・インターネット通信サービス関連 | 25.0% |
薬局・ドラッグストア・化粧品店関係 | 24.2% |
自動車関係(ディーラー、カー用品店など) | 22.5% |
旅行・ホテル・旅行代理店関連 | 22.0% |
レジャー施設関連 | 20.0% |
メガネ・コンタクトレンズ | 15.5% |
美容院・エステ・病院医療サービス関連 | 14.0% |
不動産・住宅・設備関連 | 12.0% |
塾・通信教育・カルチャーセンター関連 | 7.5% |
その他 | 0.5% |
読まない/上記にあてはまるものはない | 15.5% |
引用元:データで読み解く!ダイレクトメール(DM)が有効な業界・業種
開封率が高い業種としては「食品関連」、「クレジットカード」、「通販メーカー」、などです。
開封率が低い業種としては、「美容院・エステ・病院医療サービス」、「不動産・住宅・設備関連」、「塾・通信教育・カルチャーセンター」などです。
メルマガ開封率が高い「教育」は紙DMでは開封率が低く、メルマガ開封率が低い「飲食」「小売」は紙DMでは開封率が高く、媒体によって開封されやすい業種が異なることが分かります。
【ここで確認】
開封率をあげるポイントには2種類!
①メールを開かないでも見える部分のテクニック
②メルマガ本文の内容を充実させる
→それぞれに目的が異なる
開封率をあげるポイント(テクニック編)
自社のメルマガを読んだことのないユーザーに興味を持ってもらうという点では、メールを開かないでもわかる部分がとても大きい役割を果たします。大きく分けると、
ですので、それぞれ説明していきたいと思います。
1.件名
これは最も重要だと言っても過言ではありません。
ポイントは「2つの法則」と「文字数」です。
1つ目の法則は世界的マーケター、マクスウェル・サックハイムが提唱する「3つのNOT」です。
基本的にユーザーは広告に対してこれらの心理的な障壁を持っているので、開封率を上げるためには「NOT READ」を解消するような文面にする必要があります。
そのために意識する必要があるのが、
[Useful] [Urgent] [Ultra Specific] [Unique]からなる2つ目の法則「4Uの原則」です。 これはセールスライティングの際の効果的な手法の1つです。
1.Useful(有益性)
これはメルマガを読むことでどんな得をするのか、どんな情報が掲載されているのかを正しくアピールするということです。
メルマガに含まれる情報の要点がわかるようなタイトルにする必要があります。
2.Urgent(緊急性)
今すぐ行動に移す必要がある、または行動に移したほうが良いということです。
ユーザーを「今確認しなければいけない」という気持ちにすることができます。
例えば、「12月限定」、「このメルマガ限定」、「今すぐにモテたい人必見!」などがあります。
3.Ultra Specific(具体性)
案内している内容をターゲットに向けて具体的に説明するということです。
例えば、「おすすめホテル◯選」よりも「箱根の源泉掛け流し露天風呂付き旅館◯選」の方がイメージが湧きますし、魅力的に思えます。
ターゲットを絞る場合は、例えば、「新宿のディナー◯選」よりも「学生向け!安くておしゃれなディナー◯選」の方が読み手が自分に有益な情報であることを認識して読んでくれる確率が高まります。
4.Unique(独自性)
自社独自の情報、自社が他社よりも優れている情報を示すことは、ユーザーにとって魅力的に映り開封率を向上させるのに役立ちます。
例えば、「SNSマーケティングで効果を出す方法」よりも「【1カ月で3万フォロワー獲得したあの有名インスタグラマーが教える】SNSマーケティングの手法!」の方が独自の情報であることがわかります。
独自の情報でなくても、独自の表現方法という独自性の出し方もあります。
4U以外にもう1つ意識するべきなのが文字数です。
タイトルが長すぎるとユーザーを疲れさせてしまい、本文を読む気を失わせてしまう危険性があります。
また、スマートフォンではタイトルが15文字〜20文字ほどしか表示されないのでその中に収められると良いです。
2.送信者名
送信者名はメールを受信した人のメールに対する信用を左右する要素です。
以下の表のように、送信者ポリシーを決めていくことが重要です。
個人名or企業名 | 個人名は企業名に比べてそれぞれにメールを送っている特別感を与えられる。 |
---|---|
男性or女性 | 自社の商材や対象の客層によって使い分けると効果的。 |
フルネームorファーストネーム | 海外企業のメルマガはファーストネームのみの場合が多い。ただし日本企業でのファーストネームはスパムメール(迷惑メール)とみなされる場合もある。 配信先の国のメール文化を確認する必要がある。 |
3.送信するタイミング
送信するタイミングについては、基本的にユーザーがメールをチェックする、もしくは携帯をチェックするタイミングに合わせるのが気づかれやすく、良いと考えられます。
自社のユーザー層のライフサイクルに合わせた時間に配信する必要があります。
会社員 | 通勤時間帯の7時~8時 ランチタイムの12時~1時 就寝前の21時~22時 がメールサーバーへのアクセスが集中しているといわれている |
---|---|
学生 | 学校と課外活動中心の生活なので、会社員と似たようなライフサイクルと考えられ、狙う時間も同じ |
主婦 | 13時~15時、または就寝前 午前中や夕方から夜にかけては家事が集中する傾向がある |
4.送信者リスト
エラー率で述べたように、送信先のメールアドレスが存在しないものが多いと通信業者によって迷惑メールと判定され受信がブロックされてしまうことで、メールがユーザーに届かなくなります。
また、送信者リストに休眠ユーザーが多く含まれていると、メールを送信しても開封することはないのですが、メルマガ配信数にはカウントされてしまいます。これは開封率を「正確に計測する上で妨げになります。
このように送信者リストには存在していて、かつ休眠ユーザーでないメールアドレスのみであるように整理しておくことが、開封率を向上させる上で重要です。
開封率をあげるポイント(本文編)
この章ではメルマガの本文の内容について述べていきたいと思います。
メルマガを配信する目的は「リードの購買意欲を育て、商品を購入してもらうこと」です。
先に述べたテクニックで初めてのユーザーに興味を持たせることができても、実際の内容がユーザーにとって有益な情報でなければ継続的な読者になることはなく、本質的な開封率のアップにはつながりません。
そのために意識するべきポイントが、
です。
1.ターゲットとする顧客を設定し適切なメルマガの送信
これは「送信のタイミング」や「送信者名」を決める際にも必要ですが、まずはペルソナを決めるということです。
「どのような人」で、自社の商品への「興味の度合い」がどれほどかは特にしっかり分析する必要があります。
それによって、読者がどのような情報を求めているかを推測できます。
2.自社の持つ資産の整理
自社の発信している情報媒体がすでに他にもある場合は、そちらにも意識を向けてみると良いかもしれません。
例えば、すでにブログなどで持っており内容は充実しているが、狙っているキーワードや構成があまりSEO(検索エンジン最適化)に向かず、検索順位が上がらない場合、メルマガに切り替えることでこれまで以上の集客が見込めるかもしれません。
自社の資産である記事は、メルマガ向き?SEO向き?見直しすることで成果があがる可能性も。
3.情報に信頼感を持たせる
特定の外見的、内面的特徴(肩書、権力、身なり、専門知識)によって、その人物や発言内容に対する評価が高く歪められてしまう心理的効果を「権威効果」と言います。
これは狩猟時代からの本能的なものなので高い効果が期待できます。
自社が送る情報が、故意に自社に有利なものばかりであると思われてしまっては、ユーザーはメルマガを有益なものとは思わなくなってしまいます。
「権威効果」を有効活用するために、提供する情報には実際の専門家のインタビューを盛り込んだり、データや統計に基づいた情報を提供することが大切です
データに基づいた効能などを説明するときは、信頼ある情報元からの第三者データのほうがユーザーを求めていることもあります。
4.参加型のメルマガにする
ユーザーが実際に行動を起こすメルマガの方法として、参加型コンテンツがあります。
- アンケート
- 占い
- クイズ
中でもアンケートは自社製品のマーケティングにもなるので採り入れることをお勧めします。
更にアンケートを実施した後その結果をまたメルマガのコンテンツとして配信することです。
ユーザーも楽しめて、配信側もユーザーの生の声が聞ける、かつそれをコンテンツとして活用できるので一石三鳥と言えます。
GoogleフォームやSurvery Monkeyなどでアンケートフォームを作成してメルマガに添付することで容易にアンケートの実施が可能です。
回答方式は1クリックの簡単なものにすると返答率もあがります。
5.メルマガだけじゃない!リード顧客とのコミュニケーションツールを紹介
ここまでメルマガの開封率の向上方法について紹介しましたが、業界や提供するコンテンツによっては、より効果的なツールが存在する可能性があります。
メルマガの目的はリードの購買意欲を育てることなので、効果的にユーザーに情報を届けることができなければ意味がありません。つまりメルマガ以外を活用するべきかもしれないということです。
例としてSNSと会報誌を紹介します。
- SNSは若年層を中心として使われており、ビジネスシーンではあまり使われていないので、BtoCの商材や、若年層をターゲットとした商材を持つ企業と相性が良いと言えます。
文字制限があったり、大量消費型の情報でもあるのでユーザーの目に止まるコンテンツを作る難易度は高いと言えます。 - 会報誌もBtoCに向いていますが、SNSとは逆にインターネットの利用が比較的少ない50代以降に対して効果的な手法です。
一般的に5ページ〜10ページ程の分量になるので他のツールよりも魅力的なコンテンツを用意することもできます。
会報誌の作成には編集技術も必要とされ、成果物の品質にも差が出るので、専門の会社に委託することをお勧めします。
リードの育て方とその手法の選び方に関して別の記事でまとめていますので、より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
まとめ
- 開封率とは配信されたメールのうち開かれたものの割合のことです。
- メルマガの開封率と一口に言っても、業界ごとに平均値は大きく異なります。
- 開封率を向上する上で意識すること(テクニック編)
1.件名
2.送信者名
3.タイミング
4.送信者リスト
このうち、送信者名、タイミング、送信者リストはターゲットとするユーザー層に合わせて考える必要があります。
件名に関しては「3つのNOT」、「4Uの原則」と「文字数」を意識しましょう。 - 開封率を向上する上で意識すること(本文編)
1.適切なメルマガの配信
2.自社の資産整理
3.マンネリ化防止
4.参加型のメルマガ
メルマガが継続して高い開封率になるには上記の本文に関するポイントがとても重要になってきます。
メルマガ初心者の方はメルマガ配信サービスの活用、もうすでにメルマガに慣れている方は自社のユーザーや商材をよく分析することで現状よりも開封率を向上させていきましょう。