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更新日2021.04.14

高齢者の流行りとは?シニアマーケティングに欠かせない高齢者の傾向・関心を徹底調査

3人に1人が65歳以上の高齢者という時代になり、「高齢者市場」は巨大なビジネスチャンスになりつつあります。
今回は、「高齢者の流行りは?」「高齢者の傾向や関心ごとは何か?」について調査しました。
高齢者の傾向・関心を知ることでペルソナ設定やニーズ調査に活かすことができますので、ぜひ貴社のシニアマーケティングにお役立てください。

高齢者は流行に流されにくい

高齢者の流行を知る前に、高齢者の定義について明確にしておきましょう。
世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としており、

  • 65〜74歳までを「前期高齢者」
  • 75歳以上を「後期高齢者」

と言います。
高齢者と言っても、65歳の人もいれば90歳を超える人もおり、生活レベルや健康状態も多様なため一括りに捉えることはできません。

また、高齢者は長年の経験でライフスタイルが確立しており、慣れ親しんだものを長く使うため、流行りだからといって買うわけではありません。
つまり「高齢者の流行」を一概に述べることはできないのです。


高齢者の傾向と関心を知るヒント

幅広いライフスタイルが存在し、簡単にはブランドスイッチしない高齢者ですが、高齢者の傾向を掴むためのヒントはあるのでしょうか?
高齢者の傾向と関心ごとを理解することが、マーケティング戦略で必須となるペルソナ設定やニーズ調査に役立ちますので1つずつ見ていきましょう。

1.定年前後の高齢者は働くことに意欲的

セカンドライフの充実に「起業」を検討中

「起業」を検討中

画像引用元:マイナビニュース


freee株式会社が2019年に20~69歳の有職者男女900名(一部、6,683名)を対象に行った「起業の関心度」調査によると、50歳~69歳のシニア層28.7%(約4人に1人)が起業に関心があることが判明しました。
また、起業に関心があると回答した人のうち「3年以内に実現したい」と回答した人の割合が最も高かったのはシニア層(32.1%)で、より具体的な起業イメージを持っていることが分かります。

起業しようと思った理由について、シニア層で割合が多かった回答は以下の通りです。

  • 「退職後年金以外の収入も得たいから」(23.7%)
  • 「年齢や性別に関係なく仕事がしたかったから」(21.7%)
  • 「定年後に社会とのつながりが欲しいから」(16.7%)

この調査の結果、定年退職となる65歳前後は定年後のセカンドライフの充実を考えており、「シニア起業家」が一つの選択肢になっていることが分かります。


4月から70歳までの就業機会確保の義務化スタートでまだまだ働ける環境が整う

”2021年4月、高齢者雇用安定法の改正により、本人が希望した場合「70歳までの就業機会」を確保することが企業に努力義務として課されるようになります。”
引用元:「定年60代」その貯金額で老後はホントに大丈夫か

高年齢者雇用安定法改正は罰則規定のない努力義務にとどまりますが、将来的に義務化される可能性があると言われています。

法改正の背景には、65歳以上の高齢化率が高まること、65歳を過ぎても働く意欲がある人が存在することを示唆していると言えます。
家電量販店のノジマでは施行に先駆けて20年7月より、定年後の再雇用契約を65歳から最長80歳まで延長できる制度を導入しました。

また、Indeedタウンワーク など多くの求人サイトでは65歳以上の求人が多く掲載されており「退職した後でも働きたい」というニーズがあることが伺えます。
まだまだ働く65〜70歳前後は、年金以外の収入が見込まれるためお金の使い道の幅が広がります。単価の高い商品・サービスを提供する場合には、就労中の高齢者をターゲットにすることがポイントです。

Point!

  • 定年退職前後の高齢者は、働くことに意欲的
  • 年金以外の収入源について考えている
  • 社会との繋がりを見つけたい
  • 高年齢者雇用安定法の改正の後押しもあり70歳まで働く高齢者が増える可能性も

2.高齢者の約8割が健康に気を遣っているが、出費は月1,000円未満に抑えている

男女健康意識

画像引用元:プレスリリース

株式会社ネオマーケティングが2020年、60歳以上の男女1000人を対象に「健康」について調査した結果、高齢者の約8割が「日頃から健康に気を遣っている」と回答したようです。

日頃の健康意識

画像引用元:プレスリリース


多くの高齢者が健康に気を遣っていますが、1ヶ月間に健康のために使っている金額については「1,000円未満」と回答した方が19.0%と最も多く、なるべく多くのお金をかけずに健康を維持している方が多いことが分かりました。
「健康のためにお金を使っている」と回答した方へ、何に対してお金を使うか調査したところ、男女ともに「普段の食事」と回答した方が男性48.1%、女性54.4%で最も多い結果となりました。

女性専用・シニア向けのフィットネス市場で成長を遂げている「カーブス」ですが、フィットネスジムの月額料金としては6,000円程度と従来のジムと比べ低価格です。
高富裕層を狙うのではなく、幅広い高齢者をターゲットにした場合の低価格戦略の成功例と言えるでしょう。

”大手流通のイオンは、一部のショッピングモールで定期的にウォーキング教室を開いています。既存の施設を使って、階段の上り下りを活用したトレーニングを提供するなど、新しいサービスを生み出しています。”
引用元:これから高齢者市場で何が起きるのか シニアシフトで新事業を創出

多くの高齢者は健康について意識が高く身近で手軽に健康維持に取り組める環境を求めていると言えます。

Point!

  • 高齢者の約8割が健康に気を遣っている
  • 健康に関する出資は月1,000円未満となるべく多くのお金をかけずに健康を維持している方が多い
  • 独幅広い高齢者をターゲットにした場合は低価格戦略が1つのポイント

3.高齢者のお金の使い道の多くは「趣味」

株式会社ネオマーケティングが60歳以上の男女1000人を対象に行った、生活費以外のお金の使い道アンケートでは「外食」に次いで「趣味」と答えた人が多い結果となりました。

  • 1位「外食」60.5%
  • 2位「趣味」59.1%
  • 3位「旅行」56.2%
お金の使いみち

画像引用元:マイナビニュース


また、大和ネクスト銀行が高齢者1,000人行った「お金を費やしたこと」アンケート調査によると「趣味」と答えた人が8割を占めました。

  • 1位「趣味」82.8%
  • 2位「ネット通販」81.9%
  • 3位「旅行」71.6%
  • 4位「アンチエイジング」39.7%
  • 5位「デート」16.6%

高齢者の趣味ランキング

内閣府の調査による高齢者の趣味ランキング1位は「園芸,庭いじり」となっています。

順位 趣味 割合
1位 「園芸,庭いじり」 34.3%
2位 テレビをみる」 31.4%
3位 「旅行,ドライブ」 27.9%
4位 「散歩」 20.8%
5位 「手芸,茶道,華道,踊り」 17.5%
6位 「読書」 16.4%
7位 「絵画等の創作」 15.9%
8位 「スポーツをする」 14.8%
9位 「カラオケ」 10.5%
10位 「映画等の鑑賞」 6.8%

Point!

  • 高齢者の多くは「趣味」にお金を使いたいと考えている
  • 味を提案する形で自社サービス・商品を訴求できる可能性あり

4.高齢者の孫への出費は年間平均12万円以上

孫への出費

画像引用元:ソニー生命保険


ソニー生命保険がコロナ前におこなった「シニアの生活意識調査2018」によると、2017年に孫のために使った金額は平均12万8,269円という結果になりました。
もっとも回答が多かったのは「5万円~10万円未満」21.8%となっており、その他の割合は以下の通りです。

  • 「5万円~10万円未満」21.8%
  • 「10万円~20万円未満」16.7%
  • 「3万円~5万円未満」15.7%
  • 「2万円~3万円未満」15.1%
  • その他「50万円以上」4.8%という回答も。

さらに同社がコロナ後におこなった調査によると、2020年の1年間で孫に使った平均額は昨年より大きく落ち込み2015年の調査以来最低となりました。
しかし、例年と変わらず消費金額「5万円~10万円未満」が最も多い結果となり、コロナ渦であっても孫との消費ニーズがあることが分かります。
ちなみに、孫がいるシニアが孫と一緒にしたいことは「旅行」「外食」「会話」がトップ3となりました。

2013年度税制改正にて、直系尊属(曾祖父母・祖父母・父母等)から、30歳未満のひ孫・孫・子へ教育資金を贈与した場合、受贈者1人につき、1,500万円まで贈与税が非課税となる『教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置』が創設されたことも、孫への出費を後押ししているかもしれません。

『教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置』非課税となる教育資金の範囲

  • (1) 学校の入学金や入園料、受験費用
  • (2) 学用品代、修学旅行や給食費など学校生活で必要なもの
  • (3) 塾代やおけいこ代など
  • (4) 留学費用や通学定期代など

※『教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置』制度の期限は、2021年3月31日となっていますが、今後延期されるかどうかの発表はまだありません。


高齢者をターゲットにした3世代キャンペーン

こういった状況を受け、企業では孫のために出費する高齢者をターゲットに、「3世代」をキーワードの一つに掲げキャンペーンを打ち出しています。

東京ディズニーリゾートを運営する各企業を統括しているオリエンタルランドでは、「3世代ディズニー」というキャンペーンを行っています。
旅行会社も、「3世代で旅行に行こう」といった旅行プランを豊富に設けています。
こうした旅行では、費用はすべて祖父母が持つといったケースも多いようです。

”貯金がある高齢者世帯であっても、(中略)長生きすることによって増加する生活費や介護・医療のコストを考えると、簡単には財布の紐をゆるめません。
そうした中で、強力な消費動機になっているのが、自分のためにモノを買う消費ではなく、「誰かが喜ぶ顔が見たい」、「記憶に残る体験がしたい」という、人との関係性の中で充実感を求める「自己充実感の強い時間消費や体験消費」です。”

引用元:これから高齢者市場で何が起きるのか シニアシフトで新事業を創出

高齢者が消費する動機の1つ「孫の喜ぶ顔が見たい」というニーズは、マーケティング戦略を構築する際の大きなヒントと言えるでしょう。

一方でNPO法人「老いの工学研究所」の調査(2020年)によると、高齢者が交流を望む相手は、自分の子や孫より「趣味の仲間」や「近所の人」という結果になりました。
高齢者の多くは孫に会えることを嬉しいと感じるようですが、孫の面倒をみることがある祖父母の83.9%が「孫は来てうれしい、帰ってうれしい」を実感しているという統計もあります。
孫にベッタリではなく、関心を持ちながら適度に距離を保って孫と関わりたい高齢者も少なくないようです。

Point!

  • 孫への出費は年間平均12万円(コロナ前)
  • 三世代キャンペーンを打ち出す企業も多い
  • 孫と適度な距離を保ちたい高齢者も

5.孫と同居している高齢者は少なく、コロナ以降引きこもりがちに

3世帯同居

画像引用元:東京23区「今どき3世代同居」事情


国勢調査の東京都データによると3世代同居の割合は5%に満たず、孫と同居している高齢者は少なく別居が主流であることが明らかになりました。

コロナで時間が増えたもの

画像引用元:プレスリリース


またシニアライフ総研の調査 によると、コロナの影響によりテレビ視聴時間が増えたとの結果になり、孫と別居している高齢者の多くはコロナ渦で孫との「旅行」「外食」が制限され たと推測できます。

”長寿医療研究センターの調査分析によれば、感染防止のための外出控えより、「高齢者の身体の状況にかかわらず、身体活動量が3割も減少してしまっている」ことが分かりました。”
引用元:新型コロナ感染防止策をとって「通いの場」を開催し、地域高齢者の心身の健康確保を―長寿医療研究センター

先に述べた通り孫との消費ニーズがある高齢者ですが、同居割合は少なく、さらにコロナの影響もあり家に閉じこもりがちにな高齢者が増えています。 インターネットやSNSを使いこなせない高齢者も依然少なくなく、情報入手の遅れ、コミュニケーション不足が懸念されています。

Point!

  • 孫と同居している高齢者は5%に満たない
  • コロナの影響で家に閉じこもりがちになり身体活動量が3割も減少してしまっている
  • インターネットやSNS以外の温かなコミュニケーションが必要

6.高齢者女性の7割はおしゃれに関心がある

おしゃれに関心

画像引用元:内閣府


内閣府から発表された「高齢者の日常生活に関する意識調査」 によると、高齢者女性の約7割、高齢者男性の約5割が「おしゃれをしたい」と考えており、おしゃれへの関心が増加傾向にある結果となったようです。
実際に高齢者を対象としたファッション雑誌も多く発行されており、上記の調査結果を裏付けています。

高齢者向け雜誌

”全国展開している洋品店の中では、「ファッションセンターしまむら」、「ユニクロ」、「GU(ジーユー)」、「ファッション市場サンキ」などがシニア向け洋服を取り扱っています。”
引用元:シニア向け洋服はどこで買う?

おしゃれ調査

画像引用元:高齢者の被服行動の実態と意識


北海道女子大学短期大学部の研究結果 によると、高齢者が衣服購入にかける費用は1か月あたり平均2万722円、高齢者は身体に優しく「おしゃれ」心を満たす衣服を求めていると発表されています。
ユニクロのECサイト では、シニア向け商品一覧ページが用意されており、さらに2020年には高齢者向けの下着もリリースされました。

Point!

  • 高齢者女性の7割がおしゃれに関心あり
  • 衣服出費は月平均2万円で身だしなみや自分磨きに一定額投資する傾向がある
  • ユニクロのECサイトではシニア向け商品一覧ページも用意されている

7.独身シニアの4人に1人が「恋愛中」

恋愛してますか

画像引用元:プレスリリース


株式会社パートナーエージェントが行った、50~69歳の独身男女1,850人に対して「恋愛」に関するアンケート調査 を実施しました。
調査の結果によると、独身高齢者の24%(4人に1人)が恋愛中であることが分かりました。

「恋愛をしているか?」に関するアンケート結果

  • 「交際している相手がいる」(13.7%)
  • 「好意を寄せている相手がいる」(4.5%)
  • 「なんとなく気になっている相手がいる」(5.9%)

これらを合わせた割合(=「恋愛をしている」人)は全部で24.1%。

恋愛どう思いますか

画像引用元:プレスリリース


また、恋愛観について聞いたアンケートによると「恋愛をしたい」と思っているシニア世代は40.5%、「シニア世代も積極的に恋愛をした方がいい」と考えているシニア世代は48.9%という結果になったようです。 「高齢者 出会い」で検索すると、60代におすすめのマッチングアプリ と題したコラムが複数上位表示されることからも、高齢者が恋愛や出会いに意欲的であることが分かります。

独身高齢者は恋愛や出会いに意欲的であるというから、前途したおしゃれへの関心度の高さも合わせて、身だしなみや自分磨きにも関心があるのではないか?ということが予測されます。

Point!

  • 独身の高齢者の4人に1人が「恋愛中」
  • 恋愛をしたいと考える独身高齢者は40.5%
  • 独身高齢者は恋愛や出会いに意欲的


高齢者マーケティングのポイント

年代とライフスタイルで細分化されている高齢者市場を理解しターゲットを絞り込む

これからの高齢者市場

画像引用元:これから高齢者市場で何が起きるのか シニアシフトで新事業を創出


「高齢者の流行」を一概に述べることはできない代わりに、高齢者の関心と傾向を調査しましたが、高齢者の市場は細かくミクロ市場の集合体であると言えます。

シニア層には大きく分けて「ケア・シニア」「ギャップ・シニア」「ディフェンシブ・シニア」「アクティブ・シニア」の4つのペルソナがあります。

シニア分類 特徴 割合
ケア・シニア 身体的な障害により、日常生活において家族やヘルパー、医療従事者の助けを必要とし、自治体により「要支援(要介護)」と認定されている。収入は年金のみ、消費は必需品需要が中心。 18.7%
ギャップ・シニア 人の助けを必要とするほどではないが、自立した暮らしに不安があり、生活が不活発。収入は年金メインで所得は多くない。 28.4%
ディフェンシブ・シニア 健康的で自由に活動できる。扶養家族がおり、扶養義務が負担になっている。収入は年金メインで所得は多くない。 28.3%
アクティブ・シニア 行動的で生き生きしており仕事や趣味に意欲的。金銭的に余裕があり就労しているケースが多い。 24.6%

どの高齢者層を狙うかによって、年収や生活スタイルが大きく異なります。
まずは自社がターゲットにしたい層を絞り込むことが重要です。

高齢者は丁寧にコミュニケーションをとる必要がある

”高齢者の購買行動を変えてもらうためには、手間暇をかけて丁寧なコミュニケーションをとる必要があります。”
引用元:これから高齢者市場で何が起きるのか シニアシフトで新事業を創出

高齢者は長年親しんだものを利用・使用する傾向にあるため、新たに自社のサービス・商品を売り込むには丁寧なコミュニケーションが必要になります。
そこで、コミュニケーション方法で有効的と思われる手法をご紹介します。

自動車保険を訴求

高齢者を集客するためには自社の商品・サービスを売り込む前に、高齢者が興味関心のある健康や趣味、旅行に関する話題を提供することが重要です。 上作図はフリーペーパーの事例ですが、まずは無料で情報を提供します。
情報への満足度や有益度が高ければ、その後紹介する自社商品・サービスについての誘導もしやすくなります。
このひと手間を惜しまずに、ターゲットを理解しコミュニケーションを図る戦略がブランドスイッチしにくい高齢者には有効だと言えるでしょう。


まとめ

流行りに流されにくい高齢者をターゲットにする場合、マーケティング戦略は一朝一夕とはいきません。高齢者の置かれている状況や関心・傾向を細かく探り、丁寧なコミュニケーションを図ることが、高齢者市場で成功するポイントだと言えるでしょう。


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